非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

清掃の現場・その後

サキタさんは結局、シルバー人材センターから連絡が来て、1000円で今の現場をやってほしいと言われたが、足が痛いので断り、11月末でやめていった。そのあと、新井さんという60代前半の主婦の女性が来た。 小柄だが横に広く、本当にどこでもいるようなごく普…

清掃の現場

新しいオフィスビルの清掃の現場は、1人現場ではなく、男女1人ずつ、2人で作業する現場である。 朝6時半から10時まで、3時間半だが、短時間の割には仕事量が多い。 最初に説明を受けた営業部員と実際の担当の営業部員が違っていたのだ。 それで、最初の契約…

日本の労働者は奴隷なのか。

私が派遣されている清掃会社は大手ではなく、実績がないので直接契約の現場が少なく、清掃業界特有の下請け、孫請けなどの現場の方が多い。 こういう清掃の現場は直接請けた会社がだいぶ金額を抜くので、下請け、孫請けが会社の利益分を引くと、結局私のよう…

なぜ賃金は上がらないのか。

月曜から金曜まで行っていたオフィスビルの清掃の仕事は10月末で終了した。実は8月ぐらいからこの仕事はそろそろやめようと思っていたのだ。 それで、登録していた派遣会社からオフィスワークの仕事の紹介がメールで来ていたので、エントリーしていた。 エン…

雀の涙ほどの収入でさえ、国や政府にかすめ盗られている。

毎週土曜日だけ行っているテナントビルの清掃に、新しい清掃の男の人が来た。 男性の矢代さんが責任者だが、新しく来た田岡さんもそのテナントビルの常勤の清掃員になるそうだ。 矢代さんが休んだ時は田岡さんが代わりになる。 小柄ではないがそんなに背は高…

努力しても報われない社会

堀江貴文が「日本人はみんなが嫌がるような仕事でも安い賃金で一生懸命仕事をしてしまうので、賃金が上がらない」とツィートしていた。 さらに、他の人のツィートで、過労死が減らず、賃金が上がらないのは、日本人が真面目で勤勉すぎるからで、「こんな仕事…

ふがいない僕は空を見た 窪美澄

窪美澄の代表作は2009年の「ミクマリ」で、女による女のためのR-18文学賞の大賞を受賞し、注目をあびた。この「ふがいない僕は空を見た」は、この「ミクマリ」から4つの連作からなる短編集だ。私はこの小説を2回読んでみた。2回読んでみると、最初はストー…

会社を辞めるということ。

相変わらず掃除のバイトをしているが、それが本業ではなくて、本当は起業しているんである。しかし、全然儲からないのでバイトをやめられないわけで。 その起業した仕事もいまだに細々と続けている。 一体この生活がいつまで続くのか、もう辞めてしまおうか…

辞めた理由

土曜日に週一で通っているテナントビルの清掃のバイトに、たしか5月頃新入社員が入ったと書いたが、やはり辞めてしまったそうだ。 22歳の青年というより、少年というような男の子だった。 色が白く小柄で痩せていて、作業服を腰パンで履いているので、パンツ…

アカガミ 窪美澄

少し前に書評で取り上げられ、話題になった窪美澄の「アカガミ」を読んだ。今、日本では少子高齢化が進み、適齢期の男女の晩婚化、非婚化、さらに出生率の低下が問題になっている。 安倍首相はこれからの時代は、一億総活躍時代で女性が輝く時代だという。 …

非正規と政治

参院選は自公連立政権が有利、とテレビや新聞は報じていたが、安倍政権の支持率が下がり始めている。しかし、私の周辺の人たちに聞いてみると、ほとんどの人は投票には行かないと言っている。テナントビルの掃除の現場で矢代さんは唯一の正社員の男だ。 50を…

タックスヘイブン 橘玲

「パナマ文書」が問題になっていた。パナマのモサック・フォセンカ法律事務所で作成された一連の機密文書のこと。 文書は1970年代から作成されたタックス・ヘイブンを利用した企業や個人情報のリストだ。 アメリカの名前があまり載っていないとか、タッ…

新入社員

掃除のバイトの現場は2ヵ所で、ひとつは月曜から金曜に大きいターミナル駅に近いオフィスビルの現場と、あとひとつは土曜日にこぎれいなテナントビルの清掃をしている。2つの掃除の現場は、同じ清掃会社の現場である。 この会社は社員が150名ぐらいいる…

隣のブラック企業

前辞めた掃除の現場は、駅前にあるオフィスビルだった。 掃除は朝7時からで、セキュリティカードでビルに入り、各階のオフィスの施錠を解除するのが朝一番の仕事だった。 ところがある階のオフィスの男性社員だけが、7時10分前に出社したので、同じ掃除…

 キリンの子 鳥居歌集 鳥居

どうするんだ、日本。 とうとうこういう子が日本に出てきてしまった。 短歌集「キリンの子」の帯には目の前での母の自殺、児童養護施設での虐待、 小学校中退、ホームレス生活 − 拾った新聞で字を覚え、 短歌に出会って人生に居場所を見いだせた 天涯孤独の…

ネグレスト

杉山春氏の「ルポ 虐待」がとても印象に残っていたので、その前作の「ネグレスト」を読み始めたが、どうにも感情移入できない。この「ネグレスト」は、若い20代の夫婦が育児放棄をして、子供を死亡した事件をルポルタージュしたノンフィクションである。最初…

わたしを離さないで カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは、「日の名残り」で世界的に大ベストセラーになり、その後映画化され、映画はアカデミー賞を受賞した。 名前の通り両親は日本人で、5歳まで長崎で育ち、その後イギリスに渡り、イギリス国籍を取得した。 小説は読んだことはなかったが、著…

段ボールハウス −引きこもりー

杉山春氏の「ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件」は、雑誌や新聞の書評欄に多く取り上げられ、かなり反響があった。その杉山春氏の新刊『家族幻想 −「ひきこもり」から問う』は、初出は雑誌の記事がベースになっているらしい。 書籍化にあたり、当時取材した…

非婚ですが、それが何か!? 非婚リスク時代を生きる  上野千鶴子 水無田気流

私の知っているある主婦は、一男一女の母親で、元公務員の夫がいる。 30代半ばの息子は、某一流国立大学を卒業し、何回か転職をしたのちうつになり、今は仕事をせず、ひきこもりである。 一方妹の30代の娘は、大学を卒業して、システムエンジニアをしている…

めでたさも 中くらいなり おらが春

明けましておめでとうございます。こんな書き出しで始めてみたが、このブログを読んでいる人がいったい何人いるのか。 たまに管理画面を除いてみると、やはり非正規労働者でヒットして読む人が多いらしい。おととし、去年とずっと貧乏だった。 貧乏は人を疲…