非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

新聞を読もう 「芸人式新聞の読み方 プチ鹿島

私は新聞を取っていない。 だから毎朝駅のスタンドやコンビニで新聞各紙の1面の記事をみて、どの新聞を買うか決めている。 買うのは大体東京新聞で、たまに朝日、毎日の順で、読売、産経はほとんど読まない。 図書館で新聞を読む時もある。プチ鹿島、という…

下り坂をそろそろと下る  平田オリザ

新年は、まとまった時間ができるだろうと思って、たしか反知性主義の本も買ってあったはずだが、実はぜんぜん読書の時間が取れなかった。 反知性主義の本どころか、去年夏頃買った本を今読んでいるありさま。平田オリザ著の「下り坂をそろそろと下る」(講談…

ふがいない僕は空を見た 窪美澄

窪美澄の代表作は2009年の「ミクマリ」で、女による女のためのR-18文学賞の大賞を受賞し、注目をあびた。この「ふがいない僕は空を見た」は、この「ミクマリ」から4つの連作からなる短編集だ。私はこの小説を2回読んでみた。2回読んでみると、最初はストー…

アカガミ 窪美澄

少し前に書評で取り上げられ、話題になった窪美澄の「アカガミ」を読んだ。今、日本では少子高齢化が進み、適齢期の男女の晩婚化、非婚化、さらに出生率の低下が問題になっている。 安倍首相はこれからの時代は、一億総活躍時代で女性が輝く時代だという。 …

タックスヘイブン 橘玲

「パナマ文書」が問題になっていた。パナマのモサック・フォセンカ法律事務所で作成された一連の機密文書のこと。 文書は1970年代から作成されたタックス・ヘイブンを利用した企業や個人情報のリストだ。 アメリカの名前があまり載っていないとか、タッ…

 キリンの子 鳥居歌集 鳥居

どうするんだ、日本。 とうとうこういう子が日本に出てきてしまった。 短歌集「キリンの子」の帯には目の前での母の自殺、児童養護施設での虐待、 小学校中退、ホームレス生活 − 拾った新聞で字を覚え、 短歌に出会って人生に居場所を見いだせた 天涯孤独の…

わたしを離さないで カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは、「日の名残り」で世界的に大ベストセラーになり、その後映画化され、映画はアカデミー賞を受賞した。 名前の通り両親は日本人で、5歳まで長崎で育ち、その後イギリスに渡り、イギリス国籍を取得した。 小説は読んだことはなかったが、著…

非婚ですが、それが何か!? 非婚リスク時代を生きる  上野千鶴子 水無田気流

私の知っているある主婦は、一男一女の母親で、元公務員の夫がいる。 30代半ばの息子は、某一流国立大学を卒業し、何回か転職をしたのちうつになり、今は仕事をせず、ひきこもりである。 一方妹の30代の娘は、大学を卒業して、システムエンジニアをしている…

功利主義者の読書術 佐藤優 「受肉」という考え方

功利主義者の読書術 (新潮文庫)作者: 佐藤優出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/03/28メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (11件) を見る佐藤優氏の経歴は一風変わっている。 同志社大学に入学し、19才でキリスト教に入信、そして同志社大学…

(四) ユニクロ帝国の光と影

(二) 豊かさのあとにくるもの 柳井氏の父、等氏は宇部でやくざと組み、大物政治家や大企業のトップともつながり、土建業者として街の顔役となった。 柳井氏はこの「気性が激しく厳しい」父親を非常に恐れ、「なるべく顔を合わせない」ようにしていた。 「…

(三) ユニクロ帝国の光と影

(一) 豊かさのあとにくるもの 柳井氏は仕事に厳しいと言われているが、柳井氏自身は非常に勤勉にまじめに働いてきたことに間違いはないだろう。 そして、一経営者として見た時、同じ経営者からの柳井氏の評価は高い。 企業経営者が選ぶもっとも優れた「今…

(二)ユニクロ帝国の光と影

ユニクロ vs ZARA SPAとは「GAPが80年代後半に自社の新しいビジネス・モデルを表わすのに使った造語」である。 それは「原料調達から製造機能、小売機能まで一貫して一社で行うことにより、余計なコストを削減した新しいビジネス・モデル」のことだ。 『日本…

(一)ユニクロ帝国の光と影

ユニクロはこの本に対し、文春側を名誉棄損で訴え、「2億2000万の損害賠償、取り消し広告の掲載、本の回収」を要求した。ユニクロ 国内編 営業時間は朝10時から夜8、9時に閉店。元店長によると、1日の労働時間は15時間か16時間となり、月300時間以上の…

自分の居場所を探して

「しがらみ」を科学する ちくまプリマー新書 山岸俊男著 今の世の中、学校もダメ、教師もダメ、親もダメ、社会もダメ、政治もダメ。 それでも引きこもらず、世捨て人にもならず、生きていかなくちゃならない。 若い人たちは、地雷の上を、見えない有刺鉄線の…

生活保護という罠

日本はかつて一億総中流、世界でも稀な平等な社会であるとかつて言われていたが、今や日本も格差社会となり、ある人たちにとっては無数の差別を受けているような気がする。 無数の差別、と言ってしまうのは神経質すぎるだろうか。 「出会い系のシングルマザ…

母性という名の幻想

ちくま新書 ルポ虐待 −大阪二児置き去り死事件 杉山春の本を読んだ。 この事件は2010年夏に3歳の女児と1歳9ヵ月の男児が、大阪市内のマンションで死体となって発見された。 子供たちはろくな食べ物も与えられず、50日間放置され、さらに部屋と戸口には外から…

点と点を結ぶ線の役割 抜け落ちてしまった知識を補強する

「社会を変えるには」小熊英二氏の講談社現代新書の本を読んだ。 今、私たちは情報の海の中で、何をたよりにその問題の本質を見極め、解決していけばいいのだろう。 たとえば、自分の興味の対象がそれぞれ点になっていて、経済、雇用、政治、歴史、外交、小…

希望について

大学をやっと卒業したのに働かない子供。 地方の営業所に飛ばされて仕事に行き詰まり、会社を辞めて自宅に戻ったのはいいけれど、それ以来働けず、ひきこもりになってしまう息子。 学校を中途でやめて、ずっと部屋に引きこもっているので、「お姉ちゃんは太…