非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

非正規と政治

参院選は自公連立政権が有利、とテレビや新聞は報じていたが、安倍政権の支持率が下がり始めている。

しかし、私の周辺の人たちに聞いてみると、ほとんどの人は投票には行かないと言っている。

テナントビルの掃除の現場で矢代さんは唯一の正社員の男だ。
50をちょっと超えている。
いつも投票用紙が送られてくると細かく破いて捨ててしまうそうだ。
矢代さんはITに疎く、Lineもtwitterもしないし、ネットも見ない。
そのうえ新聞も読まない。
たまにMONOマガジンのような雑誌を食い入るように読んでいる。
1時間の休憩時間はバラエティ番組を30分見て、残り30分は必ず昼寝をする。

朝7時就業のところ30分早朝サービス残業で6時半に来て、午後4時に帰る。
一日大体8時間労働で、週休2日、さらに年2回ボーナスも支給される。
本社勤務でないので、1日12時間労働などしない。
休みの日は日帰りか1泊の温泉旅行に必ず出かける。
不満はあるだろうが、そこそこ暮らしていける。
奥さんと子供がいるが、いくつなのかよく知らない。

選挙はどうせどこに投票しても別に何も変わらない。

年金はどうせそんなにもらえないし、政治にも期待していない。

きっぱり言われてしまった。

世の中、こういう人がまだまだいるのだ。

一方非正規労働者のバイトの人たちは、生活が苦しいので、ほとんどがダブルワーク以上である。
ある人はバイトを5つ掛け持ちしている、と聞いて絶句してしまった。
毎日へとへとに働いていて、政治などに関心を持てない。

特に深夜や通しのバイトをしている人たちは、バイトが終わると疲れきって自宅に帰り、お昼過ぎまで寝てしまう。
起きてから掃除洗濯買い物と雑用をすると、夕方になり、またバイトの時間になる。
政治はむずかしくてわからない。
さらに投票に行く時間がないので、ほとんど投票したことがない。

私のまわりにいる人はほとんどそういう人ばかりだ。

投票率が50%台、というのもよくわかる。

いろんなところでデモが行われるようになったが、それでもそういうデモに参加する人たちはやはり一握りだと思う。

しかし、恐ろしいことに選挙なんて行っても別に変わらない、と思っているうちに世の中はどんどん変わっている。

どうせEU残留だろうとみんなタカをくくっていたら、EU離脱が決まってしまった。

頭のいい人たちが国の政治を決めるよりも、愚衆政治と言われてもみんなで議論を尽くして決めた結果の方がいい、と昔学校で習った気がするが、今の時代は違うらしい。

EU離脱対岸の火事だと思っていたが、同じことがそのうち日本でも起きるかもしれない。