非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

非正規労働者の立場

金曜日は辞めた事務所の課での送別会があり、参加した。
すでに辞めたのに、なぜ私?と思わないでもなかったが、せっかく誘ってくれたのだから、とも思い、出席した。
10月1日付で人事異動があり、課長とその他2名が他の事務所に移動になり、同じ事務所内でも若干の移動がある。それで急遽送別会をすることになったという。
非正規労働者として働いて、その立場や処遇には不満や複雑な思いがなかったわけではないが、個人的には皆いい人たちだったし、特別悪意を持つような人はいなかった。
ただ、この人たちには想像力が足りない、と思うことは多々あった。
送別会には、私が辞めてから二人の非正規職員が入り、その人たちも参加した。
名目上は私と違い、彼らは正規職員と同じ仕事をさせられることにはなっている。
しかし、特別ノルマや査定があるわけではない。
さらに、成績が上がったからと言って、特別インセンティブを受けられるわけでもない。
それでも契約更新時には、その人の仕事の結果や能力、やる気を考慮され、契約更新になるか契約終了になるかのどちらかだろう。
結局のところいいように使われているだけだ。
正規職員に言わせれば、「二人ともおとなしく、朝来ても何もしないか、たまに一人の方が何かありますか、と聞きにくるぐらい」という。
日常の業務にOJTはなく、放置されている。
たまに電話に出てくださいと言い、半日ぐらいは電話番をするぐらいで、他には製本をするぐらいだという。
正規職員は、二人の仕事ぶりに不満があるかのように私に言った。
しかし私から言わせれば、正規職員と同じ仕事をしてもらうのならば、その仕事をするためのOJTを行い、つききりで一から教えなければその仕事をすることはできないのではないか。
でなければその仕事の範囲を区切り、ここまでやって下さいと、明確に仕事の目標、範囲を示し、そのための知識を与えなければならない。
しかし、その非正規職員の面倒をみる人はいない。
本当は担当者がいるのだが、その女性は二人の加齢臭がひどいので、とても教えられない、と言っているそうだ。
これを聞いた時はさすがにあいた口がふさがらなかった。
職員たちは内心二人の非正規職員の態度に不満があるか、他の職員は無関心を装っているかどちらかだが、私にはこの非正規職員の方たちの気持ちの方がよくわかる。
私がこの職場を去ることになった一番の大きな理由は、自分の仕事がなかったからだ。
彼らの気持ちも同じではないか。
朝事務所に来て、「何かありますか」と聞く屈辱感は、自分の席とパソコンを与えられた正規職員にはわからないだろう。
彼らは未だに自分の席もパソコンも与えられていない。
自分の仕事は契約時に表示されても、未だに何のスキルも知識もない。
だから動きようがなく、指示されなければ何もできない自分をその人たちは何と思っているだろうか。
内心では非常な不満、屈辱感を味わっていることは想像に難くない。
その上給与も低く、物のように使い捨てられる。
こんな職場でも、本人のやる気や考え方で、定年後に自分の力で自分の居場所を作ることができれば、ささやかでも生きがいにつながるかもしれない。
事実、定年退職後にこの職場に来て、そういった働き方をしている人がいないわけでもない。
しかし、この二人にとって、そうした生きがいにつながる職場にこの職場はなっているのだろうか。