非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

蕁麻疹

異変が起きたのは、おととい、夜布団に入って寝ている時だった。
最初は太ももがちょっとかゆいと思って掻いていると、次は背中がかゆくなり、お腹がかゆくなり、すると今度は腕がかゆくなり、とうとう痒いところが全身に広がっていった。
掻いても掻いてもかゆくて仕方ない。
しかし、眠いし疲れているし、どうにもこうにも困ったことになった、と思いながら寝ながら無意識に掻き毟りながら、翌朝は寝不足で起きた。
朝になって、全身を鏡にうつすと、掻いたところが赤く腫れており、それが全身に広がり、かなりの面積である。
それでも新しいバイトは朝7時からで、自宅から約1時間かかる。
バイトは大きなターミナル駅から地下鉄で1駅乗った8階建のオフィスビルの清掃である。
痒いところは赤くなって、熱を帯びている。
無意識に触ると、また痒さがぶり返してついついまた掻いてしまう。
しかし長袖にパンツ姿なので、皮膚を露出するところがなく、赤くなったところは外からは見えない。
顔も少し赤くはれたが、そんなにひどい腫れではなかった。

最初に考えたのは、何か悪い物を食べたのか、布団のダニにかまれたのか。
この痒さはいったい何が原因なんだろう。
ヘルペスかと思い、スマホで検索すると、どうも違う。
ヘルペスはカラダの左半分か右半分に湿疹ができる。
しかし私の痒いところは全身に広がり、そしてその赤くなっているところは蚊に刺された跡のように少し突起している。
ヘルペスの画像を見ると、もっと細かい湿疹のようである。

私は病気をしたことがほとんどない。
風邪も数年に1回引くぐらいで、大きな病気もしたことがない。
10年ぐらい前に十二指腸潰瘍で貧血になり、2、3日入院したぐらいだ。
その後、ピロリ菌が見つかり、それは薬を飲んで撃退した。

とにかく全身が赤くはれ上がるほど痒い。
全身を掻きむしりたい。
痒いのでどんどん掻いているうちに熱を帯び、さらにそれが痛痒くなる。
掻けば掻くほど痒くなるんである。
体が何かに抵抗しているから痒いんだろうが、その痒さの不快さといったらなかった。

健康体であれば何でもないことが、どうにも気持ちが悪い。
ヘンな話、汚物入れ、とはよく言ったもので、汚物の処理や台所のちょっとした生ごみをビニール手袋でつかむのでさえ、全身がぞわっとして総毛立つ。

赤くはれているところは、ちょうど下着の線にそっているので、もしかしたらあせもなのではないかとも思った。
夏ほどでないにせよ、バイトではうっすらと汗をかくことがあるが、用事が立て込んでいたので、前日お風呂に入っていなかった。
そうか、あせもかもしれないと思い、その日はお風呂にゆっくり浸かると、なんとなく調子がいいような気がした。

しかし、やはり夜布団に入ると、全身が痒くなる。
昨日の痒いところから、さらに痒い所は広がって、そしてその痒さはもっとひどくなる。
昨日掻いたところをさらに血が出るほど掻き毟ってしまう。
皮膚に大きなダメージを与えることなど、もう眼中にない。
とにかく痒くて痒くて堪らないんである。

その翌日もバイトだった。
昨日の不快さがさらに倍になった。
もうこれは医者に行くしかないと思い、バイトは心、ここにあらずの状態で、病院に早く行きたい、その一心だった。

自宅近くの最寄駅に大きな総合病院があり、そこに行き、診療を受けると、女医さんが出てきて、全身を見て、「これは蕁麻疹ですね。」と病名を告げられた。

聞かれたのは、
青魚を食べたか。
何か変わったものを食べたかである。

魚は食べていないし、最近ヨーグルトを食べるようにはなったが、その他に何か悪い物を食べた記憶がない。

布団のダニは関係がないという。

その後、蕁麻疹のかゆみ止めの点滴を1時間打つと、首にまで広がっていた赤いかゆみの跡がきれいになくなった。
そして痒みがなくなり、体が楽になった。

病院の帰りに処方された薬をもらいに行った。
薬局の受付の人に、
「蕁麻疹は70%が原因がわからないんですよ。
疲れやストレスなどから出ることがあるんです。」
と言われた。

そうか。
体は心より正直だと思う。
私は辞めたバイトのおばちゃんたちが、蕁麻疹が出るぐらい嫌いだったんだ、とやっとわかった。