非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

豊かになりすぎた国の貧困

今日の深夜、ずっとNHK国会中継をらうつらうつらしながら聞いていた。
それ以外のあいた時間は、ネットで国会中継を見るか、ツィートを読んでいた。


このブログでは政治的なことは書かないが、安倍首相は首相になった時から、特定秘密保護法、派遣法改悪、安保法案と、頭の中でストーリーを作っていたのだ。
この3つはつながっている。
アベノミクスといい、安倍首相が再び政権の座に着いた時から、嫌な感じがしていた。
なるほど、こういうことだったのか。


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大きなターミナル駅に、BIG ISSUEという雑誌を売っているのを見かけたことはあるだろうか。

ビッグイシューという雑誌は、ホームレスの自立支援のための雑誌である。
1冊350円のビッグイシューを売ると、180円の収入になる。

そもそもこの雑誌はイギリスで1991年に生まれた。
日本では2003年に設立。
設立当時は、日本では100%失敗されると言われていた。
しかし、累計593万冊、ホームレスの人に8億3492万円の収入を提供し、自力でアパートを借り、住所を持つことができるようになった人が表れている。

Vol.268、2015 Aug.1の特集は、平和へー 米軍基地のたたみ方で沖縄の基地問題について特集している。
連載コラムにエコノミストの浜矩子、作家雨宮処凛料理研究家枝元なほみのcookingのコラムなどがある。

たまに見かけると、なるべく買うようにしている。



自宅付近の道路に面したところに、飲料の自販機が並んでいる。
道路沿いなので利用する人が多く、たまにペットボトルや空き缶が入りきらない時もあるぐらいだ。
月に何回か、空き缶などは飲料会社の名前とロゴが書かれた大きな車で、回収に来る。
ある時通りがかると、GパンにTシャツのごく普通の格好をした中年の男の人が、手慣れた感じで空き缶を回収していた。
何となく違和感を感じたので、そのまま見ていると、持参した大きいビニール袋をかぶせている。
ビニール袋はごみ箱にピッタリだ。
なんだ、業者の人なのかと思っていると、ひょいと取り上げたビニール袋を手に、坂を下っていく。
ごく普通にしか見えない人が、ペットボトルや空き缶を当たり前のようにして持ち去っていく。
これらは資源ごみなので、どこかの廃品回収業者に売るのだろう。


たまにチラシはお断り、などと郵便ポストに貼り紙がしているのを見るが、ポストにはいつもいろんなチラシが入っている。
それらはピザやすしなどの宅配サービスのチラシ、宗教団体、水道や雨どい修理の案内や、大手建設会社の改修工事の案内や墓石販売、など。
これらのチラシはほとんど見ることもなく、そのままゴミ箱行きである。

チラシを配る人は若い人だったり、中年の人だったり、男女を問わない。
大体大きな手提げを持っているか、たまにリュックだったりする。
地域を指定されて、ノルマのチラシを持たされるのか、日給制なのか、出来高制なのかで賃金を得ているのだろう。

捨てられる運命のチラシなのに、4色カラーで、凝ったつくりのものが多い。
これらの印刷物はそれなりのコストがかかっている。
発注する会社の人の賃金や、このチラシを作るデザイナー、印刷会社、この制作物を配る手配師のような会社があって、その下にチラシを配るアルバイトの人たちがいる。
チラシはいりません、と言いたいが、このチラシは一部の人たちの生活を支えている。


街を歩くと、ティッシュ配りの人がいる。
ティッシュの側面に宣伝が入っていて、うすくて粗雑な紙質のティッシュである。
このティッシュも、ティッシュ配りの人たちの生活をするための、大切な仕事なんである。


正規労働者でも生活費が足りないので、何食わぬ顔をして余った時間でアルバイトをする人たち。

公共施設も商業施設も、ほとんど清掃会社が入っていて、ビル内もビル周辺も清掃員が掃除をしてきれいにしているので、ビルも道路も街もきれいだ。

たぶん日本は世界の中で、とてもきれいで安全な国だと思う。

安保法案のデモも、整然として警察官の過剰警備の方が目立った。
国会内の騒乱は、世界各国のメディアに報道された。
日本人として恥ずかしい。

ほころびがどんどんほつれているが、それでも街は整然として、それなりの秩序を保っている。

日本は豊かになりすぎた国の、貧困に直面した、世界でもまれな国である。