非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

労働者に正規も非正規もなくなる日。

個人事業主になっても仕事はボチボチなので、未だにスポーツジムの掃除のバイトは細々とやり、これが家計を支える大事な収入源となっている。
そのスポーツジムの系列で、新しいジムがオープンした。
社長はその新しいジムの仕事も取ったので、バイトの募集をしたら、かなりたくさんの人の応募があったらしい。
応募してきた人たちは学生や主婦ではなく、平日は普通に働いている、ダブルワーク、トリプルワークになる人たちが多かった。

そして、実際に採用された人たちは、サラリーマンだったり、契約社員だったりした。

ジムの週1日の休館日以外は、午後7時からラスト11時半まで働くことになったサラリーマン。
1歳の子供がいる30代半ばのその人は、つい最近家を建てたばかりなので、バイト代を家計の足しと自分のこづかいにするそうだ。

一部上場の工場に勤務している30代前後の男の人は、3ヵ月ごとの自動更新の非正規労働者である。
社会保険には加入しているが、かつてと比べると夜勤がなくなって収入が減ったので、土日だけ働くことにしたそうである。

また、20代後半の女性は、最初は派遣で働き、そのまま直接雇用の1年ごとの契約社員になったという。
一部上場のその会社は、社会保険にも加入し、さらに年2回ちゃんとボーナスも支払われる。
その会社は、一般事務職の正規社員は40代の女性社員だけで、他は全員契約社員で、中には10年近く働いている人もいるという。
今の大企業は、もう一般事務職の正規社員は採用されず、皆派遣社員になっているのだろうか。
雇用調整はこういう形で進んでいたのか。

契約社員で働いている彼女に、正社員になりたくないのか、と聞くと、大企業の正社員にはなれないし、中小企業でたとえ正社員になっても、いつつぶれるかわからないので、大企業の契約社員で働いた方が身分が安定するという。

仕事は波があって、忙しい時もあるという。
今は契約社員がかつての正社員と同じ仕事をさせて、即戦力になっているのだ。

正社員でありながら、生活費が足りないので、夜バイトをするサラリーマン。
労働時間を調整させられて、収入がへったので、バイトをする非正規労働者
自由になるお金がもっとほしいので、とりあえずバイトをする女性契約社員

今までも、土日働くサラリーマンは結構いた。
それも妻子持ちの人たちで、正規労働者なんである。
アベノミクスで円安、株高で景気がよくなったと言い、さらに大企業、中小企業も賃上げが話題になっているが、結局一般庶民の暮らしは全然よくなっていないように思う。

サラリーマンの男の人が、バイトを始めたばかりなのに、「いったいいつまで、このアルバイトを続けなきゃいけないのか。その前に、このバイト、いつまでもつのかなぁ。」と帰り道で言ったが印象的だった。

アルバイトのお金が生活費の一部になっている。
今の日本は本当に豊かなんだろうか。
30代半ばの働き盛りのサラリーマンが、アルバイトをしないと生活できず、未来設計ができない。
それでもアルバイトができる環境にいるだけましなのか。
大企業でも連日サービス残業しているサラリーマンも多い。
残業しても生活は一向に楽にならない大企業のサラリーマンが実はすごく多い、と聞く。

契約社員の女の子が言うには、
「大企業でも今はみんなブラックですよ。
みんな何も言わないだけで。」
と言う。

恐ろしいことに、今は正規労働者だからといって、身分や待遇が安定しているわけではなくなっている。
正規労働者であっても、年収1075万円以上の労働者は残業代なしで働くことなるかもしれない。

今は正規労働者、非正規労働者というくくりがはずれ、一般労働者の首がどんどん絞めつけられている、という実感を持つのは私だけだろうか。
そのうち労働者に正規労働者、非正規労働者の区別がなくなる日がくるのだろうか。