非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

明るい絶望

昔、明るい絶望と言ったのは、第三舞台鴻上尚史だったか。
ある本を読んでいたら、「今の20代は自分が物扱いされるのに慣れている」と書かれていて、私が非正規労働者で物扱いされたのに慣れなかったのとは大違いだ。
非正規労働者の立場、というのがわかっていて、私が越えられなかったハードルを軽くサクッと越えている。
その上ある20代の人のブログを読むと、自分が非正規で働いていて、もうこれからの人生、正規になれない、ということがわかっている。
だからブログの中で、今の職場を辞めたら、またフリーペーパーのようなもので時給労働のアルバイトを探すだろうと書いている。
非正規でもかまわないし、お金もそんなに欲しくないとも言う。
年金は払っているけど高いし、将来もらえるのかもわからないし、いっそのこと年金制度など崩壊してしまえばいい、とさえいう。
本人はそれでも別に悲観的に言っているわけでもなく、世の中なんてこんなものだと達観している。
努力しても報われない世の中になってしまった、ということが分かったその昔のロスジェネは「希望は戦争」と言ったけど、今の20代はそんなことも考えていないみたいだ。
以前勤めていた会社で、20代の女の子が会社の中で孤立してしまった時、どんどん痩せていき、指に吐きだこができて、手首に赤い薄い線がたくさんできていた。
リスカと過食を繰り返していたんだろう。
そのうち気がついたらいなくなっていた。
あの子はその後どうなったんだろう。
今の時代、生きることも死ぬこともできず、生きることが困難だと思う若い人が多くなったと思う。
しかし、若者たちにとって、生きにくいのが普通だということなのか。
人生からすでにもう降りているような。
「明るい絶望」といっていた絶望は、もう明るくもなく、絶望と特別言わなくてもそれがもう普通の状態になってしまったのだろうか。