非正規労働者めぐろくみこのブログ

非正規労働者が日々感じていることを書いたログです。

予知夢

朝方よく夢を見る。
夢の内容を覚えていることもあるし、忘れてしまうこともある。
この前見た夢はこんな夢だった。
ある街があって、私はそこの住民である。住んでいる人はたくさんいるが、そこに住んでいる人たちはその街をみんな出たがっている。
それは夢の中で誰かが言うわけではなく、夢の中の私はすでにそのことが分かっている。
私が歩いていると、反対側の歩道から今の職場にいる大嫌いな女の人が出てくる。
その人が、「私、ここもう出てくから、お母さんとお兄さんと一緒に」と私に向かって叫んでいる。
母はもうすでに亡くなっているはずなのに、その夢の中ではまだ生きていることになっていて、さらに兄も母も登場しないのに、その一言で、私の大嫌いなその女の人が家族だということが分かる。
私はその言葉に激しくショックを受け、その女の人を追いかけて、なんとかその街を出ていかないようにしようとする。
ところが追いかけても追いかけても、その人に追い付けない。
そこで場面が変わって、ある街が川の氾濫のせいか、道路が濁流で水びたしになっている。私はバスに閉じ込められていて、水面がのど元まで上がっている。
後もう少しで水面が口まであがってくる。
ところが、運転手と他の何人かの乗客が世間話をして、別に誰も気にしていない。
見ると、他にもバスが浮いていて、その中の乗客も似たようなものである。
誰も何もしようとせず、世間話をしている。
私は気が気ではないので、バスの窓を開けるか、ガラスをぶち壊して外に出たいと思っているが、どうしたらいいのか途方に暮れている。
さらに画面が変わる。
私は薄暗い部屋の中でぼんやりしている。
ここはどこだろう。
薄暗いが天井が高く、窓はすごく大きくて、そこにカーテンがかかっている。
かちゃかちゃと食器のふれる音がする。
私はベッドの上に正座していて、ぼんやりしている。
私は精神を病んで、この病院に入院しているらしい。
私は一体いくつで、いつからここにいるんだろうか。
さらに画面が変わる。
今の職場近くの小さい公園のあたりを10年後の私が歩いている。
台風が来ているのか、どんよりと生温かく、風が強く吹いて、髪の毛が風にあおられてぼさぼさになっている。
私はうつろな顔をしていて、職場で何か不当な扱いを受けたか、自分の意見が相手にされなかったのか、ひどく傷ついた面持ちで歩いている。
夢の途中で私は気付く。
もう、私はこの職場を辞めなければいけない。
早くここから逃げだそう。
そうしないと大変なことになる。
私はいつからか、予知夢を見るようになった。
人から言わせれば思いすごしだと笑われるかもしれない。
それでも未来の私が今の私に何かを語りかけに来てくれる。
それは自分が岐路に立たされて、これからどうしたらいいか途方に暮れた時、何かを知らせに来てくれるらしい、と私はいつからか思うようになった。
私はここにいてはいけない。
一日も早く辞めよう。
次の日、課長に「今月でやめたいんですが、いいでしょうか」と言いに行った。
未練も捨てて、躊躇も捨てる。
ただただ、一日も早く、遠くへ行こう。
そして、私は8月の末をもって非正規労働者の仕事を辞めた。